キャビンフィーバー感染屋敷は2005/9/12〜10/2まで期間限定で開催し、大盛況のうちに終了しました。

 

 

 

 

 

 

映画キャビンフィーバー

 

<キャビンフィーバー感染屋敷を終えて>

 

ホラー映画とお化け屋敷のタイアップ・・・良くある風景である。

しかし、台場怪奇屋敷がキャビンフィーバーとタイアップした”キャビンフィーバー感染屋敷”だけは、他のそれと一味違っていたと思う。幽霊もモンスターも出てこない、このホラー映画のお化け屋敷は特別なものとなった。少なくとも宣伝用CMをバンバン流し、内部に人形を追加するだけの、販売促進の為だけのタイアップでは無かったのである。このタイアップが大成功に終わった秘密を探る。

 

 

まず、違和感のないストーリー設定からこの物語は始まる。

 

この昭和のお化け屋敷に観光に来た5人のアメリカ人(映画の主人公達)が中で謎のウイルス性の病気を発病し、パニックに陥っているという設定だ。お台場という立地上、外国人観光客は本当に多い。ハリウッド映画の主人公達がワイワイ騒ぎながらお化け屋敷に遊びに来ても、何ら不思議はないのである。そして来場者は、重症のカレンという少女にアメリカから取り寄せた薬を届けるという目的を持って入場する。お化け屋敷なんて作り物・・・そう高をくくっていた来場者はここで、渡された薬を自分が届けるという現実に直面し、たちまち映画の世界に放り込まれてしまうのである。話半分に説明を聞いていた人も、重症のカレンはどこにいるのか?他のメンバーはどうしているのか?と真剣に質問を投げかける。誰もがもう、映画のキャストの一人になっているのである。

 

それでも、まだ現実を受け入れられない来場者の中には、「この薬を私が飲んだらどうなりますか?」と、説明するスタッフを困らせようとする。何か矛盾を見つけてやっぱり作り物じゃないかと、自分を安心させたいのである。しかしスタッフは真剣な顔でこう答える。「この薬はまだ日本では認可されていないのでお客様がどうなられても責任は取れません」。

また、誰が先頭をいくかで、もめるグループに、スタッフは、「この5人のアメリカ人もそのように仲間割れをおこしている様です。一人でも逃げ出したりすれば、カレンに薬を届けて無事に脱出することはできません」と、みんなで力をあわせる事を提案します。実際に、映画キャビンフィーバーでは、崩れていく友情が描かれています。中には、本当に喧嘩してしまったグループやカップルもいました。(でも出口をでれば全てが良い思い出になって、笑顔で帰っていくのです)

 

さて、肝心のお化け屋敷の中身はというと、基本的に昭和のお化け屋敷のままで、誰もが表紙抜けしてしまいます。ところが次の瞬間には、曲がり角の向こうから聞こえる女の泣き声、もしくは助けをこう男の悲痛な叫び、半狂乱で追いかけてくる者を目の当たりにする。それらの全てが英語で繰り広げられる。この昭和の古めかしいお化け屋敷に、ウイルスに感染しパニックに陥った外国人たちの英語での叫びがこだまする一種異様な光景が、現実と映画の世界の境目を限りなくゼロにする。それにより来場者は自分がお化け屋敷に入っている事を忘れ、襲ってくる者から逃れるため、もしくはカレンに薬を届けるために必死で行動している。その時、来場者は”キャビンフィーバー感染屋敷”という物語の主人公になるのである。この物語は既に作られた物では無く、またこれから作られる物でも無く、今自分が作っている物語なのである。そして、その舞台となった映画キャビンフィーバーに興味が沸くのはごく自然な事である。

 

無事に脱出した人は、そのほとんどが、笑顔になる。それは、脱出した事で、現実に戻った後に湧き上がる、安心感から。または、”現実に戻るということはさっきまで現実でなかったと言う事”に気付き、”高が作り物”であるお化け屋敷に感情移入していた自分が可笑しくて笑うのである。

 

あなたには夢がありますか?

 「お化けはいるかも…」、そう思える人の夢は叶えられる気がしませんか?

 「お化けなんていない」、そう言い切ってしまう人の夢は叶わない気がしませんか?

 

お化け屋敷も、映画も、あなたに夢を見せてくれるに違いない。

 

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